オリオン座 の 馬頭星雲と燃木星雲





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カメラ SONY α7M3(IR custom)
鏡 筒  SD81S(リングスペーサーに換装)、SDフラットナーHD+レデューサーHD、625mm×0.79(F7.7→6.1)
赤道儀 SXD2、ノータッチガイド
ISO6400、露出時間 1200秒 (60秒×20枚、ダーク減算後加算コンポジット処理)

2025年01月28日21時33分から、揖斐谷






いっかくじゅう座 の ばら星雲





この夜は新月期に加えて寒中。例年はとうてい星空は望めない時期だったが、SCWによるとどうやら、もうひと晩晴れるらしい
今年は立春寒波が襲来とか。せっかく覆い被さった枝を切り、落石を取り除いて走行できるようにした林道だが、しばらく入ることができなくなる

天文薄明の終了時刻を見計らって準備をしていると、いやな雪雲が北から押し寄せてきた。あれよあれよという間に雪が降り出し、あわてて鏡筒と赤道儀にタオルをかぶせて傘を差しかける
スーパーコンピュータの雲量予想など当てにならないものだと、ぶつぶつ独りごちて北天を見上げていると北東方向に火球が流れた。時刻を確認すると20時18分だった。雲間から見た火球は-6等級と明るく、中速でやや赤味がかった火球だった。雪雲の隙間から見た火球は途中で2度爆発したように見えたが、これは雪雲の隙間を通して見たからそのように見えたのかもしれない

翌日、日本流星研究会、日本火球ネットワークの掲示板を見ると、愛知県から3件、静岡県、滋賀県、奈良県からそれぞれ1件ずつ報告が上がっていた。これに私の岐阜県の火球情報を加えると、冬型の気候で星空の観察が難しい日本海側を除いておおよそ中部地方で、北東から東方向に流れたことが分かる
流れることが分かっているのだったら、別のカメラをポータブル赤道儀にセットしておくのだったと、これは無理なこと


閑話休題

上の写真はいっかくじゅう座のばら星雲。オリオン座の1等星ベテルギウスからこいぬ座の1等星プロキオンまでたどると、その中間よりやや手前に位置する。赤い薔薇のロゼットのように見えることから名付けられていて、その中心には散開星団NGC2244があり、その周囲に水素原子の出すHα線が広がっていて、写真では赤く写る。この赤い薔薇は1000万年先には消滅すると言われている。本当に消滅するか確かめられないことが残念ではある


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カメラ SONY α7M3(IR custom)
鏡 筒  SD81S(リングスペーサーに換装)、SDフラットナーHD+レデューサーHD、625mm×0.79(F7.7→6.1)
赤道儀 SXD2、ノータッチガイド
ISO6400、露出時間 1260秒 (60秒×21枚、ダーク減算後加算コンポジット処理)

2025年01月28日22時00分から、揖斐谷






オリオン大星雲M42 と 小三つ星





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カメラ SONY α7M3(IR custom)
鏡 筒  SD81S(リングスペーサーに換装)、SDフラットナーHD+レデューサーHD、625mm×0.79(F7.7→6.1)
赤道儀 SXD2、ノータッチガイド
ISO3200、露出時間 1530秒 (30秒×11枚、60秒×10枚、120秒×5枚、ダーク減算後加算コンポジット処理)

2025年01月25日20時12分から、揖斐谷






光害と冬の天の川





環境省「夜空の明るさ調査」へ提出するデータを取得した後、機材を変えて撮影
写真の右端を見ると、杉の木に近隣施設のナトリウムランプの光を受けて赤くなっている

施設照明の消灯までまだ1時間半以上ある。厳しい冷え込みに我慢できず、上の写真撮影を撮影してすぐに撤収した
さあ、明日はどうか

この夜空の明るさは速報値で 20.5 等級/□”(マグニチュードパー平方秒角) だった

ところで上の写真にはいつものというか、この時期の冬の星空に2つの明るい輝星が加わって、実ににぎやかだ
まずプレヤデス星団の下、おうし座のヒアデス星団のすぐ横に強烈な存在感を放つ星が木星。ヒアデス星団の1等星アルデバランが霞むほどの明るさだ
次に冬の天の川を左に横切るとふたご座のカストルとポルックスと並んで赤く火星が輝いている。さらに火星の左下にはかに座のプレセペ星団が顔を出している。春の星座の登場で季節が冬から春へと移ろうとしていることを知る

木星も火星も惑星なので、いつもこの位置にあるわけではない。また、もう少し早い時間には西天に金星がこれまた強烈な光を放っていることに気づく。宵の明星だ
寒いのは勘弁してほしい、というものの、夜空の星を肉眼で眺めてみることを勧めたい。便利に見えるスマホアプリだが、暗順応の進んだ肉眼には邪魔になるので、やはり眼視観察が一番だ

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14mm、ISO800、f2.0、30秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷
SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM

2025年01月21日21時03分






寒空の オリオンと木星





夜空の明るさ調査への報告用データを無事に取得。ほっとしてまだ街明かりに照らされた夜空を見上げる
冬型の天候に悩まされることの多い冬の調査は、毎回一喜一憂する
オリオン座がほぼ南中しようとしていた

寒さに耐えかねて、あと2時間半が我慢できずこの夜の撮影継続を諦める。オリオン座とヒアデス星団近くに侵入した木星を撮る
まだ早い時間帯だが、意外と星空のシーイングはいい。夕方まで強風が吹き荒れていたが、この時間にはそれも収まったことが幸いとなった

オリオンの頭上ベテルギウスの右上には微かにエンゼルフィッシュ星雲が、オリオンの中にはバーナードループも見える
オリオン大星雲M42が赤い光を放っている

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50mm、ISO1600、f2.8、30秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷
SONY α7M3 (IR custom) + TAMRON
28-75mm F2.8 Di III VXD G2 (Model A063)

2025年01月21日20時11分






火星が地球と最接近





火星が地球と最接近


金生山明星輪寺の初虚空蔵の夜、火星が地球と最接近した

柴燈護摩供と火渡りの間は珍しく風も止んだが、ともかく寒かった
火渡り修行には400名を超す人が並び、初虚空蔵の火渡りが始まって以来の賑わいに延々と参拝者の列は続いた。エネループ・プロ8本の外部電源で増強したフラッシュのおかげで、ほぼ全員の火渡りをカメラに収めることができた。さすがに疲れた

この夜は月齢12.2の月が明るく照らした
また時折夜空を雲が覆った

この夜、火星が地球と最接近するのは22時37分。その時刻は雲に覆われてとても星空どころではないと諦めて片付けにかかると、時間帯によっては雲の切れ間から星空が顔を出した
上の写真は、右下に-1.4等の火星が赤く輝き、その左上には1.16等のふたご座のポルックスが輝き、さらにその上にはふたご座のカストルが1.58等で輝いた。まるで三兄弟のようだった

月明かりは強烈で雲も邪魔するあいにくの条件だったが、街明かりの中ではよしとするしかない

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85mm、ISO800、f1.4、1秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、三脚で固定撮影、金生山
SONY α7RM5 + FE 85mm F1.4 GMⅡ

2025年01月12日22時39分






2025年 除夜の鐘と星空





除夜の鐘と星空


厳冬を覚悟したものの、思ったより寒くない年越し
美濃平野部で雲間から姿を見せる星空を撮る
月の巡りのせいもあって、昨年は流星群にことごとくがことごとく期待が削がれた。さて、今年はどうか

冬型の天候で次々と雪雲が押し寄せる揖斐谷
しばらくは星空は望めそうもないので、美濃平野部まで出る
雲間から顔を出す星空に、除夜の鐘が響いた

古文の「ことごとし」とはこのようなことをいうのだろう、木星と火星の存在感に圧倒される
冬の星空に2つの大星が冬の天の川を挟んで輝いた
天の川の右、おうし座のアルブバランのすぐ上にひときわ白く輝く木星、天の川の左にふたご座のすぐ横で赤く輝く火星

現在東から西へと逆行中の火星はまもなく1月12日に地球に最接近、2月24日に留を迎えた後は西から東へと順行に転じる
火星のすぐ左で控えめに輝くプレセペ星団にも注目したい

ひょっとするとしぶんぎ座流星群に属する流星が流れるかもしれないと、星野撮影にしては高いISO感度で雲が広がり始めた01時37分まで撮影
残念ながら、かけらも見られなかった

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14mm、ISO1600、f2.0、8秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、美濃平野部
SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM

2025年01月01日00時42分